茶十徳

「茶じゅっとく」といい、お茶を飲むとよいことが１０あるという鎌倉時代日本で初めてお茶を栽培した

明恵上人が言ったとされた言葉です。

一、諸天加護　茶を喫すれば、仏紙の守護により幸福になれる
二、父母孝養　父母を養い、孝行するようになる
三、悪魔降伏　悪心邪念を除去して、快適な生活を保障する
四、睡眠自除　睡魔を追い払ってくれる
五、五臓調和　茶を喫すれば、体が整い、健康になる
六、無病息災　病気することなく、寿命が延びる
七、朋友和合　周囲の人とも和合できる
八、正心修身　正常な心で修身できる
九、煩悩消滅　諸悪の根源たる欲望を断ち切ることができる
十、臨終不乱　死に臨み、少しも惑わず、正念が得られる
　年を重ねるごとに、この十徳をしみじみと感じます。

これら十徳の中には、お茶の成分から由来している部分も多いと思います。

カテキン　　　健康維持、病気の予防

テアニン　　　リラックス効果

カフェイン　　覚醒効果

ビタミン類　　疲労回復　肌の健康維持

古くからお茶は日本人にとって精神的にも、身体的にもなくてはならない飲み物だったのです。

寿司屋でお茶はなくてはならないもの

お寿司屋さんにいくと必ず緑茶がでてきます。

回転ずしにも必ずテーブルに緑茶がおいてありますよね？

それは、食中毒予防のためです。

緑茶のカテキンの効果の一つに、殺菌効果があります。

生魚を扱う寿司屋では食中毒は最も気をつけなくてはならないことです。

緑茶を飲むことでそのリスクが下げられるということが、古くから分かっていたのです。

わさびも風味つけだけでなく、強い殺菌効果がありますので、わさびと緑茶は寿司屋に欠かせないものなのです。

何故宵越しのお茶は飲んではいけないのか？

「宵越しのお茶はのんではいけない」

これも古くから言われていることです。

なぜなのでしょうか？

これはお茶に含まれるたんぱく質が時間とともに変質して、腐敗するからです。

飲むとお腹を壊すことがあるので、長時間放置した緑茶は飲まない方がよいのです。

緑茶が他の烏龍茶や紅茶と違うところは、発酵していない所です。

烏龍茶は半発酵、紅茶は発酵させて飲みます。

比較的たんぱく質は変質しにくいのですが、緑茶は発酵していないので変質しやすいのです。

因みに何故ボトルの緑茶が長期保存できるのかというと、殺菌しているからです。

高温で抽出して、高温で殺菌され、高温で容器に充填され、更にその後も殺菌工程を得てから

商品化されます。

殺菌しまくられていますので、相当な品質ダメージを受けていますが菌やカビなどの微生物も

一切いませんので安心して長期保存ができるのです。

ちょっとマニアックな話ですが、PETボトル等の飲料が製造された直後は、全くお茶の味がわかりません。

熱殺菌によりお茶の味が変質してしまい、ダメージが回復するまで数日かかってしまうのです。

数日たつと、お茶の味が戻ってきます。

それぐらい激しい殺菌をしないとならないのです。

更にビタミンCを添加しないと酸化してしまうので、とてもデリケートな飲みものなのです。

緑茶飲料にはビタミンCが入っていますが、入れないと酸化によりお茶の色が茶色くなってしまいます。

緑茶は黄色いのに何故緑茶か？

この理由わかりますか？

外国人に良く聞かれることなのですが、Green tea なのにYellowじゃないかと

緑茶が緑なのは、葉っぱが緑だからです。

烏龍茶も紅茶もお茶葉は黒茶色ですが、緑茶は緑です。

（因みに紅茶は英語でBlack teaです）

皆同じお茶の木から生まれたものですが、製法が異なることで茶葉の色が変わるのです。

お茶の葉は摘んだあとも呼吸をしています。

呼吸熱により葉は腐敗してしまうので、酵素を失活させないとなりません。

釜で炒ったり熱を与えて酵素を失活させ発酵工程を得るのが烏龍茶や紅茶

緑茶は酵素失活のために、蒸気を使います。

蒸気で蒸すことで葉の色を変えずに緑色を保つことができるのです。