牛肉の「サシ」を知っているとお肉通！？

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牛肉の「サシ」は、赤身の牛肉に入っている脂肪の白い筋です。霜降り肉に見られるものと同じもので、特に黒毛和牛に多く見られます。マグロのトロと同類とされる高級素材の証でもあるのです。牛肉によってもサシの入り方が違うため、遺伝的な理由や牛の種類によりサシの有無があることから、サシという言葉の意味を知っているだけで周りからもお肉通だと判断されるでしょう。今回は、牛肉のサシについて網羅的にご紹介します。

牛肉で見られる「サシ」ってどの部分？

サシは牛肉などの赤身部分に見られる、白い脂肪の線です。模様のように赤身肉の間に入り込んでいるため、英語ではマーブリングと呼ばれています。サシはただの脂肪ではありません。サシが細かいほど上質な肉とされており、マグロのトロのように高級素材の目印としても使われています。

牛肉の「霜降り肉」とほぼ同じ！

高級肉とされている「霜降り」と言う言葉は、脂肪が斑点状にキレイに入っている赤身肉を指しますが、サシと同じ意味と思って間違いありません。

専門用語だと「脂肪交雑」

畜産業界では脂肪が入り混じっているというところから、サシのことを専門用語で「脂肪交雑」と呼んでいます。

サシが入っている肉はどんな種類？

サシが入っている肉は牛肉が主とされており、特に黒毛和牛に多く見られる特徴です。鶏肉にはサシは入りませんし、豚肉は牛肉と比較してもサシが薄いため、和牛の特徴だと言って良いでしょう。サシが入っているということは牛肉が高級肉であるという含みもあることから、高級肉の代名詞としても認知されています。

海外産の牛には入っていない！

牛肉の産地としても有名なアメリカやオーストラリアの牛肉は見られない現象です。サシは和牛にしか入っておらず、海外で「WAGYU」とされている牛肉にのみ見られます。海外産の牛肉にサシが入らないことにより、サシは和牛独自の現象であることが分かるかもしれません。

サシが入る理由？

なぜ牛肉、しかも和牛だけにきめ細かなサシが入るのでしょうか？和牛の血統だけでなく、和牛独自の飼育方法に理由が隠されています。

１）和牛の血統

サシが和牛だけに入る最大の理由として、和牛の品種改良が挙げられます。日本は昔から、牛の品種改良で牛肉の質を高めていたという歴史的背景があります。日本で現在飼育されている4種類の牛の中でも、良質な肉を持つのがサシの多い黒毛和牛です。

２）和牛の飼育方法

サシがキレイに入る肉質は、牛の種類だけが理由ではありません。和牛のサシは、牛の生育環境や飼育方法によっても異なります。サシが入る肉質に育てるためには、栄養満点のエサが必要なのです。

ビタミンの欠乏で牛の健康状態を懸念する問題も

サシが綺麗に入った高級牛を育てようと、畜産家の中には脂肪を調整するためにビタミンAの供給制限を行っている場所があるということを知っておかなければなりません。日本でも、牛のエサに対してビタミンAの供給制限が普及しているそうです。ビタミンAを意図的に不足状態にさせる飼育方法から、牛の健康状態を懸念する声も挙がっています。サシが入った美味しいお肉を食べたい気持ちもあるかもしれませんが、このような飼育方法を行う一部の畜産家がいるという実態も考慮しなければなりません。

サシが入りやすい牛肉の部位

牛肉のサシが入りやすい部位は、一般的に背肉が挙げられます。

・サーロイン（ロース）

・リブロース

・肩ロース

・バラ

また、ミスジやモモ肉にもサシ入る場合がありますので、注目してみると良いでしょう。

サシが入っていることは良いこと？悪いこと？

サシが入った牛肉は、好みが分かれることもしばしば。サシが入っている牛肉のメリットとデメリットをご紹介します。

サシが入っているメリット

霜降り肉といった高級とされている牛肉には、サシが入っていることからもわかるように、日本の食肉業界では高級品の指標です。また、脂が多いためとろけるような食感や甘味があるのも、高級感を連想させるかもしれません。硬いお肉が苦手な方も食べやすいということも、メリットに挙げられます。

サシが入っているデメリット

サシは高級牛肉の指標のひとつであるため、手が出しづらいというイメージを持たれがちです。サシは脂の線です。脂が苦手な方やダイエットをしている方にとって、避ける目印でもあります。脂であるサシが入っていることで「食べたくない」「胃もたれする」と避ける方も一定数います。また、先述の通りサシを入れるために故意に牛の健康状態をコントロールする牛の育て方からも、反対の声が見られます。

まとめ

牛肉に入る脂肪の筋をサシと言い、日本の品種改良や独自の飼育方法の結果、誕生した高級肉の指標です。とろけるような食感と甘味たっぷりの味は高級感あふれ、一度口にしたら忘れられない経験となるでしょう。しかし、脂が苦手な人は胃もたれする可能性があったり、ダイエット中の人はサシが入った牛肉を避ける人も一定数います。サシの特徴を把握したうえで、ご自身の好みのお肉を見つけてみましょう。