十割そばと二八そば どちらが美味しいのか?
江戸時代から比較されている十割と二八そば
日本人が古くから愛するそば
江戸時代江戸の町には数百の店舗が存在し、庶民にも浸透していた食べ物です。
さて、最近十割そばを出すお店が増えてきましたね。
昔はそばといったら二八そばのことでした。
この十割そばと二八そば、一体どちらが美味しいそばなのでしょうか?
実はこの議論は江戸時代からされていたようです。
十割と二八そばの違いとは
これはそば粉を使用する割合のことです。
十割とはそば粉100%使用のそばのことです。
二八は小麦が2割そば粉が8割のそばのこと。
そばなのに小麦?と思う人もいるかも知れませんが、そばにはグルテンが含まれていません。
グルテンとはたんぱく質の一部で、うどんやお好み焼きのもちもち食感はグルテンが関係しています。
ラーメンやうどんが伸びる原因はグルテンが水分によって分解されてしまうからです。
そのグルテンを使用しそば粉のつなぎにつかうことで、のど越しのよいつるっとした食感を出すことができます。
しかし、小麦を使わないと切れやすく、食べにくいそばになるわけではありません。
そば粉だけでも十分しっかりとしたものが作れます。
二八そばは、そばの風味が2割落ちるのか?
何となく、小麦を2割の使っているのだから、そばの風味は十割と比べると落ちるのではないか?と
思いますよね。
しかし、これは誤解です。
そば処信州を代表する戸隠そばは、二八そばの代表格
そばの風味もしっかりしていて、かつのど越しも素晴らしいそばです。
だから決して二八そばが風味の点で十割に負けているわけではないのです。
十割そばの魅力とは
小麦粉を使わずに、100パーセントそば粉だけで打ったそばが十割そばです。 そば粉だけで打つことを「生粉打ち(きこうち)」とも言います。生粉打ちで作ったそばが、十割そばです
麺の表面に、そば粉の粒子のザラザラした舌触りを感じ、歯を軽く当てると麺が、ふっつりと切れ、その切れた部分から、そば粉の粒子が砕けて拡散し、味と香りが、ふわっと口中に広がる。これが十割そばのおいしさです。
結局どちらが美味しいのか?
多くのお蕎麦屋さんでは二八そばを提供します。
それはある程度時間が経っても麺が切れにくいため、商売上でもロスが減るという理由もあります。
より職人さんの技術を要するのは十割そば
そば粉だけでしっかりと麺作りするのは相当な技術が必要です。
十割は作りたてを食べないと、ボロボロと千切れてしまうこともあります。
ということで、
人とお話しをしながら食べる時、スルッという食感を求める時は二八そば
美味しい麺を集中して食べたい、口の中でそばの風味があふれ出す感覚を味わいたいときは十割そば
そんな風にTPOで決めるのが良いのではないでしょうか?
どちらが美味しい不味いでなく、そばのバリエーションと考えた方が良いかもしれません。
健康にも良いそば
そばも小麦や米と同じく、炭水化物です。
食べ過ぎれば太ります。
しかし、他の炭水化物と比較すると、低GI食品ともいわれています。
そして、そばに含まれる食物繊維や特殊なビタミンの一種である「ルチン」は
血流の改善などの作用もあり、成人病予防にも効果があると言われています。
ルチンは水溶性なので、おそばを煮たときにでる、蕎麦湯に豊富に含まれますので、
捨てないで取っておきましょう。
そのままでも、そばつゆを入れても、焼酎の割材としても美味しいですよ。
日本人が古くから愛したおそばを食べて元気になりましょう。