牛肉の熟成方法を家庭で再現するのは非現実的!熟成肉の基本をご紹介
牛肉を自宅で熟成するのは困難!
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熟成肉の熟成方法にどんなものがあるかご存じですか?熟成肉は主にアメリカで人気があるだけでなく、最近では日本でも人気を博しています。中には、日本でも自分で熟成肉を作ってみたいという人も増えつつあるようですが残念ながら、熟成肉を家庭で再現するのはほぼ不可能であると言えます。熟成肉についてより詳しく知ることで難しい理由が分かるでしょう。そこで今回は、熟成牛肉について、種類や製法について網羅的にご紹介します。
目次
熟成肉とは?実は種類がある
熟成肉は、牛肉など赤身肉を一定期間、徹底した衛生管理で保存し、うま味を凝縮させた肉です。おすすめは牛肉の赤身で、国内ではA5クラスの和牛で成功している事例もあるのだとか。熟成肉は主に2種類の呼び方があります。
ドライエイジング
ドライエイジングは、一定の温度に保たれた専用の保管庫に風を送ることにより、熟成させたい牛肉などの肉類を乾燥させる熟成方法です。日本エイジングビーフ普及協会によると、ドライエイジングは「温度(1度前後)」「湿度(70~80%)」「風の調整」を維持した上で時間をかけることが条件とされています。業務用のドライエイジング専用器具も発売されているほどですので、手間と費用が掛かるのがわかりますよね。
日本の伝統的な熟成方法がある
ドライエイジングとどことなく似ている熟成方法が日本にもあります。「枯らし熟成」と呼ばれる熟成方法で、牛肉を解体せず、熟成を加速させる菌とともに冷蔵庫に保管する方法です。1970年代まで、枯らし熟成は様々な店舗で行われてきたという歴史があります。現代では真空パックの普及や流通の発達により、希少な熟成保管方法に変化しました。
ウェットエイジング
ウエットエイジングは、肉を真空パックなどに包んで水分を取り除き、長期間保存すると言う方法です。肉を柔らかくする効果があるため、多くの人は熟成肉の一種と思ってしまいがち。実はウエットエイジングは肉の劣化防止のための保存方法であり、熟成方法ではありません。ウエットエイジングはあくまで肉の保存方法であることから、ドライエイジングと比較するとうま味や香りにどうしてもかける部分があります。従って、ウェットエイジングは正式な熟成肉ではないのです。
どうして肉が「熟成」するの?
肉が熟成する現象は菌のおかげで、熟成に関わる菌が肉のタンパク質を分解し、うま味成分に変えてくれます。納豆も、納豆菌が発酵したことで美味しく変質していますが、同じ現象が肉に起きていると考えて良いでしょう。肉を熟成させるには、熟成肉に必要な菌が活発になる環境を作ることが大切で、以下の条件が必要とされています。
・湿度70%を維持
・温度2~3度を維持
・空気を対流させる
腐敗と熟成の違いはあるの?
熟成と腐敗の明確な違いは、まだ研究段階にあります。熟成と腐敗はどちらも微生物が関わる変質ですが、熟成と腐敗と似て非なるものです。明確な違いとしては、
・人間にとって良いものが熟成
・人間にとって害のあるものが腐敗
だと言えます。
熟成肉には明確な規定はない
さらに、日本では熟成肉に関する明確な規定がまだありません。日本ドライエイジングビーフ普及協会というものがあるものの、アメリカの熟成肉に関する規定を基準に設けているにすぎません。さらに、お店の中には日本ドライエイジングビーフ普及協会の基準に準じていない場所もあるため、「熟成肉」かどうかは販売主や店主の判断に委ねられています。
しかし、現時点で熟成と腐敗の区別が曖昧です。明確な規定がないまま、しっかりした技術や環境が整っていない素人が熟成肉に手を出すと、食中毒など健康を害する危険があるでしょう。熟成肉は、明確な知識と経験がある飲食店や販売店経由で味わうのが安全だと言えます。
牛肉の熟成肉は自宅ではほぼ不可能!
熟成肉で思い浮かぶのは、外側が乾燥し内部が赤い状態の美味しい牛肉ではないでしょうか。残念ながら、家庭で熟成肉を作るのはほぼ不可能です。ドライエイジングは
・湿度70%を維持
・温度2~3度を維持
・空気を対流させる
この3つの条件を満たさないと作れないのです。まず、熟成肉に使う巨大な肉を購入しないといけません。熟成肉は表面が乾燥するため、ある程度削る必要があります。小さい肉では、食べる場所が無くなるのです。熟成は冷蔵庫で出来そうに思えますが、一般家庭の冷蔵庫は通常3~6度に保たれています。家庭用の冷蔵庫を2~3度に保つのは至難の業です。
さらに、家庭用の冷蔵庫は熟成肉専用の保管庫と異なり、普段から開け閉めが生じ、温度変化が激しくなります。また、二酸化炭素を循環させる技術がないと言えます。従って、熟成肉と呼ばれているドライエイジングは専用の器具がないと不可能であり、非現実的なのです。
牛肉を自宅でウェットエイジングならできる……?
ウエットエイジングなら家庭でも熟成肉を作れるかもしれません。残念ながら、ウェットエイジングはあくまで肉の保存方法であり、本格的な熟成方法ではありません。しかし、冷蔵庫のチルド保存はウェットエイジングだと言えます。菌の繁殖を防いだうえで真空パックに肉を保存したり、味付けて寝かしたりすることも”熟成”と言えてしまうのが現状です。
ただし、本当のウェットエイジングではないことを考慮しなければなりません。本来、冷蔵庫の開け閉めが生じる環境は、牛肉の長期保存に適した環境でないと言えます。一般家庭では熟成菌ではなく腐敗菌が繁殖してしまう場合があり、食中毒も懸念されるため安全とは言い切れません。自宅でウェットエイジングを行う場合は、肉の保存期間を守り、必ず加熱調理することが前提となることを覚えておくと良いでしょう。
本場アメリカでは熟成肉専用マシーンがあるものの
熟成肉の本場アメリカでは、熟成肉を自宅で作れる本格マシーン「The Steak Ager」が存在します。日本に本格上陸していないものの、一部の熟成肉ファンは手に入れて活用しているようです。興味がある方は調べてみると良いかもしれません。
まとめ:安全に熟成肉を食べるならお取り寄せがオススメ!
熟成できる肉や熟成方法は多岐にわたり、肉屋の中でも作れない人がいるというほど。まさにプロの技術と言っても過言ではありません。腐敗と熟成は隣り合わせです。規制がない分、扱いを間違えてしまうと食中毒など健康を害す恐れがあります。
どうしても熟成肉を自宅で味わいたい場合、専用マシーンの購入など保存環境を整えない限り再現しづらいでしょう。熟成肉を美味しく安全に味わうには、確かな実績と、しっかりした設備を持つお店やお取り寄せ・通販サイトを活用するのが最適だと言えます。熟成肉に対する正しい知識を持ち、安全に美味しく熟成牛肉を食べましょう。
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