3分でわかるお米の歴史|お米が主食になるまで

育った稲

知っているようで知らない「お米」の長い歴史

この記事を読むための時間:3分

長い歴史を持つお米は、いつどこからやってきたか。日本人の主食として毎日食べられているお米の始まりやルーツ、さらに日本の歴史との関わり合いなどを詳しく見ていきましょう。

 

日本のお米はどこから来たの?

現在、お米は日本全国さまざまな地域で栽培されていますが、初めから日本にあったわけではありません。お米は遠い昔、中国大陸から日本に入ってきました。どのようなルートでやってきたのかは諸説ありますが、最初に沖縄に入ってから九州へと広まったという説と、朝鮮半島から日本に伝わったという説が有力です。

お米が主食になるまで

縄文時代に日本に伝わったと言われるお米は、今のように主食として食べられるようになるまで紆余曲折がありました。

古代から始まっていた稲作農業

縄文時代の人々は、動物を狩ったり木の実を集めて食べ物を確保する狩猟民として定住生活をしていました。そこへ中国から水田で稲を育てるという米作りがもたらされたのです。石で作った道具を使って稲を育て、収穫したお米は茹でて食べられていたといいます。とはいえ、まだ主食とは呼べるものではなく、まだまだ食べ物は狩猟採集して手に入れるものが中心でした。

お米を蒸して食べていた弥生時代

お米を育てる技術が日本列島に伝わり、お米を蒸して食べるということが広まったのが弥生時代。200年から300年かけて広い範囲に稲作が広まっていきました。この頃から木の実を取って食べるというスタイルから、栽培して収穫したものを食べるという生活が定着。栄養が豊富な白米、いわゆるごはんを食べるようになって、しっかりとした体格が形成されるようになりました。

お米を食べることが定着した奈良時代

奈良時代には「ごはんとおかず」という食事の型ができていて、位の高い貴族が食べていたのは、今と同様に玄米を精米して作られる白米だったといいます。それに対して庶民が食べていたのは、白くなるほど精米されていない「黒米」というものでした。また、水蒸気を使ってお米を蒸して食べる時代から米を水に浸して加熱する「炊く」という調理方法に変わったのが平安末期。蒸したお米は「強飯」といって名前のイメージの通り硬いもので、炊いたお米はふっくらと柔らかいので「姫飯」と呼ばれていました。

第二次世界大戦後ごはんは主食に

現在はお米を収穫したら脱穀をして精米をして食べますが、昔は精米することはとても贅沢なことでした。また年貢として米を納めなければならなかったので、主食にするほどの量が手に入らない人の方が多かったといいます。そのため、主食は米にアワやヒエ、麦といった雑穀を7〜8割混ぜたものを食べていました。それが戦中戦後の食糧難の時代を経て、現在のようなお米100%のごはんが主食になったのです。

日本の歴史とお米

領主に年貢として納められていたお米は、日本の歴史に大きく関わっていきます。

お米を持つ者が支配する社会

収穫される量が多いお米は、豊かさと権力を表す役割も担うように。お米を持っている武家が強い力を持っていた武家社会は平安時代の末期から江戸時代まで続きました。武家はお米や農地、そして米を作る人々を奪い合い、権力を保持していたのです。

百姓一揆

昔は安定してお米を育てることは容易なことではなく、自然災害や害虫被害などによって不作になることも少なくありませんでした。そして土地を治めている領主や代官は、凶作であろうと農民にたくさんの年貢を要求します。この時に農民が年貢の減免を求めて集団で起こした反抗運動を「百姓一揆」と言います。

お米の品種改良の歴史

明治にはそれまでお米で納められていた税がお金に変わりました。そしてその頃から積極的に進められるようになったのが、お米の品種改良です。大正10年には初めて品種改良で作られた「陸羽132号」が完成昭和31年には「コシヒカリ」が誕生し、日本各地で丈夫で美味しいお米が育てられるようになりました。現在もお米の品種改良は進み続けていて、ごはんとして食べるためのお米の品種は270種類以上あります。

美味しいごはんの後ろには長い歴史があった

ふっくらと柔らかく美味しいごはんが食べられるようになるまでには、さまざまな歴史がありました。お金のように税として納められていたお米は、今も昔も私たちの生活を支えてくれています。

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