梅雨時期のお弁当どうする
湿度の多い時期のお弁当
九州から東海地方までは梅雨入りしましたが、関東、北陸、東北はまだ梅雨入り宣言されていませんね。
しかし、この頃は湿度も高くなりいつ梅雨入りしてもおかしくありません。
そして、この時期とても困るのがお弁当作りですよね。
子供のお弁当、ご主人へのお弁当、自分向けのお弁当が痛まないか心配です。
何故梅雨時は食べ物が痛みやすいのか?
食中毒を引き起こす細菌は、室温20度程度から活発化し、人間の体温くらいが一番元気になりやすい
性質を持っています。
だから細菌が増えた食べ物を食すると、体内でどんどん増殖し食中毒症状を引き起こすのです。
また、調理・製造から消費者が喫食するまでの温度管理などが不十分だと細菌が増殖し、品質の低下だけではなく食中毒のリスクが高まります。最近では、テイクアウトやデリバリー販売が盛んになり、これらは飲食店内での食事の提供よりも、喫食までの時間が長くなり、食中毒のリスクは増大します。
食中毒を引き起こす病原菌
カンピロバクター・ジェジュニ/コリ
カンピロバクター・ジェジュニ/コリによる食中毒は、少ない菌数で発症するとされており、加熱不良の食品を提供した場合には、食中毒事故につながりやすいといえます。
サルモネラ属菌
サルモネラ属菌は多くの家畜や動物の体内に生息し、乾燥に強い菌です。
特に鶏肉や鶏卵の加熱不足や生食が発症の原因となることが多いとされます。
ぶどう球菌
ぶどう球菌による食中毒事故の多くは黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)によるものです。
黄色ブドウ球菌は、食品中で増殖するときにエンテロトキシンという毒素をつくります。この毒素を食品と一緒に喫食することにより食中毒が起こります。黄色ブドウ球菌は加熱調理で十分に殺菌が可能ですが、毒素は100℃20分の加熱でも分解されませんので注意が必要です。
腸管出血性大腸菌
腸管出血性大腸菌は人の腸管内でベロ毒素(vero toxin ; VT)と呼ばれる毒素を産生し、その毒素により出血性の大腸炎を引き起こす細菌性の食中毒です。中でもO157が有名で少量でも発症しやすく、場合によっては重篤な症状を伴う特徴があります。
ウエルシュ菌
ウエルシュ菌による食中毒は、別名「給食病」とも呼ばれ、カレーや煮込み料理等、大鍋で大量に調理し、作り置かれていた食品が原因となることが多くあります。100℃で1時間の加熱にも耐える熱に強い芽胞を作り、通常の加熱調理では死滅しないため注意が必要です。
それぞれの病原菌に対する対応方法
カンピロバクター・ジェジュニ/コリ
十分な加熱:中心温度を75℃、1分以上しっかり加熱することで、食材に潜むカンピロバクター属菌は確実に死滅 します。中心温度計などを用いて実際に計測し、確実に中心まで十分な加熱をしましょう。
その他以下のような注意が必要です。
食肉処理用の調理器具を使いまわさない
生肉を触ったら必ず手を洗う
器具の洗浄を行う
サルモネラ属菌
サルモネラ対策も上記カンピロバクターの対策と同様です。
ぶどう球菌
手の傷等から感染するぶどう球菌の対策としては、手に傷等がある場合手洗い、消毒、素手でおにぎり等を
作らないことです。もし作る場合は手袋を使用しましよう。
また食材の管理温度の徹底、十分な加熱調理を行うことが大切です。
腸管出血性大腸菌
食材の管理温度の徹底、十分な加熱調理のほか、二次汚染にも気を付けないとなりません。
汚染された食材を調理済みの食材と接触させたり、調理器具器具や汚染食材を触った手でドアノブなどに
さわらないようにすることが大切です。
しっかりと洗浄、手洗いを慣行することで防ぐことができます。
ウエルシュ菌
カレーや煮物など、この時期は調理後食べるまでの時間を短く、できるだけ早く食べましょう。
保存するときは速やかに10度以下に冷却するか、55度以上で保温しましょう。
そしてよく混ぜながら調理することも大切です。
食材の殺菌力を活用する
日本では古くから食材も持つ殺菌力を活用し食中毒を予防してきました。
お寿司屋さんのわさび、お茶、ガリなどはその典型です。
梅干しの活用
梅干しも古くからその殺菌力を活用されてきました。
実際梅干しにはぶどう球菌や病原性大腸菌などの属食抑制効果がわかっています。
すっぱさの元「クエン酸」が病原菌から我々を守ってくれます。
この時期暑さから胃腸が弱ることも多いですが、胃腸が弱ると食中毒のリスクは高くなります。
梅干しには胃腸の働きを助ける効果もありますので、この時期積極的に梅干しを利用すると良いでしょう。
お弁当を美味しくする紀州の南高梅
美味しい梅干しはお弁当の食材を引き立て、美味しくしてくれます。
逆に美味しくない梅干しが入っていると、折角のお弁当も台無しになってしまいます。
折角なら美味しい梅干しで食中毒予防、胃腸の活性化を促進しましょう!