おいしいお茶の煎れかた
新茶と一番茶の違い
そろそろ季節は新茶の時期になりました。
立春から八十八夜の頃に取れるお茶は、葉に含まれる香気、水分、色味が最高です。
新茶の旨味は飲むと幸せな気分になりますね。
さて、「一番茶」という言葉を聞いてことがありますか?
その名と通り一年で最初に採れるお茶だから「一番茶」です。
では新茶と一番茶何が違うのだろう?と思いますよね。
答えは「同じ」です。
基本「新茶」という旬の言葉が使えるのは一般的にお盆のころまでらしいのですが、
実際は5月いっぱい位のイメージです。
その後は一番茶と名前を変えます。
数回収穫できるお茶
お茶は一番茶から始まり
「2番茶」
「3番茶」
「秋冬番茶」
と年に数回収穫することができます。
段々と、お茶の香りも旨味も減っていきます。
番茶と呼ばれるものは、基本秋口に採れるお茶で「秋冬番茶」と呼ばれたりします。
あまりお茶として飲むには美味しくないので、火入れをしてほうじ茶にしたり、玄米を混ぜて
玄米茶として飲まれたりします。
その年の収穫量、特に一番茶の収穫量が多く値段もそれなりにつくと農家さんもその年は安泰なので
収穫回数を減らしたりします。
最近では飲料用の原料としての需要も多く、値段の安い3番茶や秋冬番茶の需要も増えていて
原料の安定化は飲料メーカーとしても頭の痛いことでもあります。
美味しいお茶を煎れるには
お茶の味は煎れる人によって大きく変わってしまいます。
美味しいお茶を煎れる人とそうでない人の違いは、「知識」の差です。
新茶の煎れ方
新茶は一年間で最も栄養状態の良い環境で育つ葉なので、水分も多く、旨味成分であるテアニン(アミノ酸)が
豊富です。
新茶を飲むということは、その最高の風味と旨味を楽しむこと。
そんな贅沢なお茶を熱湯で煎れるのはナンセンスです。
高温で煎れると、渋み成分であるタンニンが反応して渋くなってしまいます。
したがって、新茶は比較的低温で煎れることが大事です。
60度前後のお湯で十分です。
ゆっくり抽出して比較的低温で反応する旨味成分テアニンを引き出してあげてください。
2番茶の煎れ方
2番茶といってもなかなか伝わらないとは思いますが、5月から6月中旬に採れるお茶を2番茶といいます。
気温も上がり、日光をたっぷり受けたお茶は光合成を加速して葉の中にタンニンを生成します。
「カテキン」はお茶の健康成分として有名ですが、タンニンの一種です。
2番茶はまだまだ葉の水分も多く、さわやかな香気にあふれたお茶です。
80度前後(沸騰させない)で煎れると独特のさわやかな渋みを伴うお茶を楽しめます。
健康成分カテキンも豊富に含まれていますので、健康的にも最高です。
3番茶以降のお茶の煎れ方
ほぼ番茶と言ってよいお茶なので、葉の水分も少なく風味も大分落ちています。
番茶を飲むときは沸騰させたお湯で抽出しないと十分にお茶の味がでてきません。
渋みや雑味もでてしまうのですが、それも番茶の特徴です。
これが好きな人も多いのですが、風味を補うため自宅でフライパンで炒ってあげるとほうじ茶になります。
お茶好きの裏技
お茶には様々な健康成分が含まれています。
例えば
テアニン 睡眠の質改善、リラックス効果
カテキン 抗酸化作用
フッ素 虫歯予防
食物繊維 腸内環境改善
サポニン 血圧低下作用
各種ビタミン ビタミンC ビタミンB2 葉酸等
カフェイン 覚醒作用、利尿作用
クロロフィル 消臭作用
などなど様々な成分が含まれていますが、水溶性と非水溶性の成分が両方含まれます。
したがって煎茶として飲む場合は非水溶性の栄養素は摂取できません。
非水溶性の栄養素も摂取したいときは、煎茶をミルで砕いて抹茶のように煎茶抹として飲むのもありです。
抹茶違い渋味が強くでるので苦手な人もいるかも知れません。
もう一つは、出涸らしのお茶葉を炒めて食べてしまうこと。
ごま油と醤油もしくは塩で炒めたら、ごはんのおかずにも最高なお茶和えが完成。
食物繊維などやまだ葉に残っている健康成分も一緒に摂取できます。
また出涸らしたお茶葉を乾燥さたものを布袋にいれて靴箱に置いておくと靴の匂い取りになったり
急須で煎れたお茶の残りの液体をバットに入れ、生魚を浸しておくと生臭みが消えてしまいます。
また手についた魚臭を緑茶で洗うとあっという間に臭みが取れます。
様々な活用方法があるお茶。
美味しくて、健康によくて、便利につかうこともできる凄いヤツなんです。